栗原悠希さん/バークリー音楽大学サマーコース(5週間)

栗原悠希さん/バークリー音楽大学サマーコース(5週間)栗原悠希さん プロフィール桐朋女子高等学校音楽科を経て桐朋学園大学を卒業。
これまでに黒川浩氏、中井恒仁各氏に師事。
また、二台ピアノ・室内楽を藤井一興、石岡久乃、三輪郁、加藤真一郎、田崎悦子各氏に師事。
第13回日本演奏家コンクール第3位、第14回大阪国際音楽コンクール二台ピアノ部門第2位(1位無し)受賞。
-ご経歴としては、ずっとクラシックをされていたんですよね。
栗原様:そうですね。音高・音大で7年間学びました。
-これまでに音楽留学のセミナーに参加されたことはありましたか。
栗原様:3年前ぐらいにドイツのセミナーに行きました。バリバリのクラシックでしたね。
-そのときはどういう理由で行かれたんですか。
栗原様:なんとなく外国のセミナーで外国の先生に受けてみたいなというのがあって、参加しました。
-先生に勧められて行ったんですか。
栗原悠希さん/バークリー音楽大学サマーコース(5週間)栗原様:いえ、自分で行きました。あんまり大規模ではなくて、費用もそんなにかからなそうなもの探して行きました。
-海外の講習会に参加されたら、ヨーロッパにクラシック音楽で留学しようかなと考える方が比較的多いんですけど、そうはならなかったですね。
栗原様:そうはならなかったですね。クラシックは大好きだし、もちろん演奏を続けていきたいんですけど、欲張りなのか、演奏するだけだと嫌でした。ずっと昔からの音楽をいろんな方が演奏しているという状況で、自分がそこに入っても世界的な演奏家にはなれないし、そうなるのは私が望む音楽家の像ではないというのが高校のときからずっとありました。だったら、演奏をやめなくてももっと音楽の業界を回す側になりたいなというのが、大学3年生ぐらいのときになんとなく入ってきて、それでポップスとかもっと社会と音楽のことを勉強したいなという思いがでてきて。それは日本では勉強できないことはないんですけど、やっぱりどうせ勉強するんだったら外国でやったほうが英語の勉強にもなるしと思っていろんな学校を見た結果、このバークリーに興味を持ったんです。
-バークリーの5週間プログラムは、いかがでしたか?
栗原様:レッスンとプライベートが毎回1回ずつあって、アンサンブルの授業が、私は火曜日と水曜日であったんですが、とにかく日本人気質で迷惑をかけたくないというのがあって、最後のコンサートでもそれなりに最初と違う自分で挑みたいなと思っていたので、練習して次の週には新しいことをみんなの前で披露したいと思って、練習に取り組みました。先生にしつこいぐらい「これでいいですか、これでいいですか」と相談しました。先生も「初めてのことだし、そんなに心配しなくていい。これから勉強していけばいいし」と言ってくれて。国民性というのか、ミスに寛容でした。他のメンバーも他の人のミスにそんなにうるさく言ったりしないし、何をやってもいいよという感じだったので。
-日本との違いも感じられたんでしょうか。
栗原悠希さん/バークリー音楽大学サマーコース(5週間)栗原様:そうですね。やっぱり日本では、口では「ミスはそんなに大きなことじゃない」と言う方が多いんですけど、やっぱりミスをするとみんなミスをしたと言うし。それは別に悪いことではないと思うんですけど、それに比べたらやっぱり自由にしていいよという感じで。授業でも「わからない」とか「やっていません」ということを他の受講生の人が平気で言うんですよ。
-そんなときはどんな空気になるんですか。
栗原様:「ああ、じゃあ説明するよ」みたいな。優しいなと思いました。私の学校は、まず遅刻厳禁で、遅刻をしてきたら入れない授業とかもあって、私は遅刻をするんだったらもう行かないという選択肢がだったんですが、それを先生に言ったら、「そういうことはもったいないから遅刻をしてでも来るべきだ。最後の10分でもいいから遅刻してでも入ってきなさい」と言われて、そういう感じなんだと思いました。そして、環境も違うなと思いました。設備も全然違って、日本の音大、特にクラシックの専門になると、どうしてもコンピュータを使った授業というのはあんまりないし、まずコンピュータールームがないんですよ。それを使って授業することも滅多にないんですけど、バークリーは最新のものを使っていてすごかったです。作曲の授業とかでは、マックにキーボードがつないであって、それで作曲をしたりしていました。また課題で作ってこいというのが多かったです。皆でヒーヒー言いながら作るんですけど、大体テキストでここからここまで5ページぐらいの課題をやってくるのと、作曲して来なさいとか、ソロを考えてきてみんなで弾きなさいなど、「作って発表しなさい系」がすごく多かったです。あとソルフェージュの授業が移動ドでやっていて、私はずっと固定ドだったので、移動ドでやるのが新鮮でした。全然できなくて、でもジャズは移動ドでやるのが普通でした。あとはコピーして勉強するというのが多くて、ソロを聞いて全部を覚えるんです。楽譜とかを見ないでも歌うというのが私のソルフェージュの課題でしたが、できちゃったんです。火、水、木、金と授業が1時間ずつあったので、毎日毎日新しいフレーズ、8小節を覚えていくと、毎回授業で歌うから覚えられるし、最後のプロジェクトが自分の好きなソロをコピーしてみんなの前で弾くというもので。「この日までに曲を決めてきなさい」ということをすっかり忘れていて、授業が終わったら先生から、「今日までだから」と言われて、どうしようと思って。たまたまiPhoneに『枯葉』があって、これにしようと思って、どんなソロかも知らないで書いたら、友達からは「なんでそれを選んだの、めっちゃ難しいよ」と言われました。その日から本当に鬱でした(笑)
-それは提出から本番までどれくらいの期間でしたか。
栗原様:3週間ぐらいあったんですけど、他の課題とかアンサンブルが忙しくて、結構みんなやる暇がなかったんです。ちゃんと毎日聞いていれば覚えられると思うんですけど、とにかく他のことでも精一杯で、先生に「できません」と言ったんですけど、「5分もやる必要はないよ」と言われて、結局3分ぐらい覚えて弾きました。楽しかったです。コピーして弾くというのはクラシックでもしなかったわけではないんですけど、でもソロとかではなかったので、タイミングとかも全部真似をして音を書いていくというのが、すごく楽しくて新鮮でした。クラシックは楽譜があるからある程度わかった状態で、この人を参考にしたいなと思ったら、その人のものを見て、いろんな角度を覚えたりすることはあったんですが、ソロはその人が考えるので楽譜がなくて、それを聞いて録って、音源と合わせていかないといけないので、音源を聴きながら練習するのは新しかったですね。
-逆に、何か困ったことはありましたか。
栗原悠希さん/バークリー音楽大学サマーコース(5週間)栗原様:外観はすごくきれいで、ボストンの街並みもきれいだったんですけど、クーラーがなくて暑すぎて、気にならないくらいの体調不良が続きました。小さい扇風機はいただいたんですけど、部屋が広くて暖かい空気を回しているだけなので、結局あまり涼しくないんですよ。日本人やアジア人だけがそういうふうに思っているのかなと思って、他の国の人に聞いたら、そんなことなかったです。あと、お風呂が汚くて、つま先立ちでしか入れないこともありました。でも向こうの方は慣れている方が多くて、お風呂は結構皆さん普通でした。4つ寮があって、18歳以下の子たちは違うところに住んでいるんですが、その子たちはすごくきれいな寮なんですよ。初めは住めないなと思いましたが、だんだん慣れてきて、どうやったらお風呂を最短で済ませられるかを計算して入ったりしていました(笑)
-向こうに行ったときは他の日本人の方とコミュニケーションを取ったりしましたか。
栗原様:空港でタクシーに乗るときに右往左往している人を見つけて、話しかけたら日本人だったので、その時点で仲良くなりました。でもほとんど高校生ぐらいの子たちばかりで、留学をしたいということが決まっている子たちが多かったので、向こうに行ってからは、同じ寮に住んでいる年齢も近いアジア人の子とかと一緒にいました。たまに日本人の子は会ったら話すぐらいでした。
-初めての人たちが多い環境の中で、その他にびっくりしたことや困ったことありましたか。
栗原様:学校自体もそうなんですけど、日本とそんなに大きな変化はなくて、もちろん文化感の差はありますが、基本的な、人間的なマナーというのは、成人したらある程度大体同じでしたね。基本的には特に困ったことなどはなかったです。たまに、マナー的な面で話題になったり香水などの体臭が強いと言われている人がいました。また、音楽をドンドコドンドコ流す人がいて、それがあらゆる部屋から聞こえるから、私のルームメイトはロスから来た人だったんですが、「眠れない」と言っていました。楽器を弾いている人もいれば、歌の人は自分の好きな曲をマックスでかけて歌うんです。その音が四方八方から聞こえてくるから、私はあまり気にしなかったですけど、気になる子は本当に気になると思います。私のルームメイトはいい子ですごく良かったと思いました。
-参加者は何人ぐらいいたんですか。
栗原悠希さん/バークリー音楽大学サマーコース(5週間)栗原様:トータルは千人までいかなかったと思うんですけど、70カ国ぐらいから来ていて、アメリカ人と中国人が多かったです。
-毎晩ライブとかもあったりするんですかね。
栗原様:毎晩はないんですけど、決まった曜日に、お昼にジャズワークショップで来ている優秀な学生たちの演奏会があったりとか、先生がやるジャズのコンサートがあったりしました。
-本場の演奏はどうでしたか。
栗原様:やっぱり優秀な人は上手でした。日本でも外国でも、とてつもなくうまい人がたくさんいるということは身に染みてわかっていたことなので、こんな感じなんだなというのはありました。授業の話に戻るんですが、アンサンブルの授業に4つのレベルがあって、3と4の人たちが結構レコーディングとかに選ばれたりするんですけど、私はクラシックのピアノが弾けてコードも読めたので、まあまあ弾ける子たちのグループに入ってしまって、初回の授業が、曲などが何もわからなくて地獄のようでした。迷惑をかけると思ったので「クラスを変えてください」とお願いしたんですが、「ごめん、ごめん。これから勉強するんだからいいよ」と言われました。
-それは結果的にどうでしたか。
栗原様:すごく楽しかったです。授業でやったりとかライブに行ったりとかはあったんですが、ジャズがほとんど初めてで、自分でちゃんとジャズを勉強して弾くというのは初めてだったので、すごく怖かったんですが、結果的に最後の演奏会はすごく楽しかったです。
-バークリーに行く前に期待をしていたことがあったと思うんですが、実際に行ってみてどうでしたか。
栗原様:何かしら新しいものがあると思っていたんです。やっぱり環境も違うし、言語も人数も違うので。でも別に新しいものは、良い意味で特になかったですね。結局やっている音楽のジャンルが違うだけであって、私たちがクラシックを勉強していた感覚と同じ感覚でジャズを勉強しているという。
-それはすごく大きい発見だと思いますね。
栗原様:そうですね。自分には、今何が一番必要かということがわかったというのは大きいですね。だからもし留学するんだったら、作曲のほうで留学したいと思ってたんですけど、今すぐはちょっと留学はいいかなと思いましたね。
-今後業界に携わりたいというお話があったと思うんですが、具体的にどういうふうにやっていきたいというのはありますか。
栗原様:最終的には、音楽制作職に就きたいです。今は、音楽制作に必要なDTMの扱い方を少しずつ勉強しています!
-今後留学でバークリーに行きたいと言っている方が毎年たくさんいるんですけど、そんな方々へのアドバイスをお願いします。
栗原様:私がすごく助かったのはやっぱりクラシックが弾けることです。すぐ弾ける曲を用意していたので、それを弾いたときにすごく評判がよく、みんながそれで認めてくれたので、【自分が音楽でこれはできる】というものがあれば、ある程度自信になるし、英語ができると音楽がそんなによくできなくても、ある程度コミュニケーションがとれるんじゃないかなと思います。渡航前に、こちら(アンドビジョン)の英語のレッスンも受講させていただいたんですが、音楽を実際にされていた方と音楽について英語で話す機会があまりないので、週に1回でもそういう機会を作っていきたいなと思ったからなんですが、すごく助かりました。ありがとうございます。
-こちらこそ、ありがとうございます。ぜひまた、お話聞かせてくださいね。
栗原様:ありがとうございます。

音楽大学・音楽院・音楽専門学校への留学をアンドビジョンがフルサポート!

平日 10:00-20:00 土曜 10:00-15:00 祝日 10:00-15:00(3~7月)

03-3278-3450

info@andvision.net

Join Us On

アンドビジョンからのニュースレター