高木 忍さん/ニューヨーク州立大学フレドニア校教授/アメリカ・ニューヨーク

高木 忍さん/ニューヨーク州立大学フレドニア校教授/アメリカ・ニューヨーク高木 忍さん プロフィール神戸女学院 音楽部声楽科卒業後 同大学研究生修了。ニューイングランド音楽院で大学院に留学、卒業後ボストン大学でアーティストディプロマを修了。アメリカ・マサチューセッツ州のフィリップスアカデミーとウォールナットヒルスクールオブジアーツで声楽の教鞭をとる。その後ニューヨーク州立大学フレドニア校で教鞭をとる。オペラ、ミュージカル、リサイタルの 伴奏などもする。
-それでは略歴をお教えて頂いても宜しいでしょうか?
高木 忍先生:神戸女学院声楽科卒業後 アメリカ、マサチューセッツ州、ボストンのニューイングランド音楽院に留学しました。大学院 卒業。夏休みを使って、色々なオペラプログラムを受講させていただきました。その後、ボストン大学のアーティストディプロマに 受かり、そこのオペラ科でも色々と歌わせていただきました。Metropolitan Operaが毎年色々な地域でオーディションするのですが、ボストン大学にまだいた時に、ニューイングランド地域の2番に選ばれたりしました。その後、ピアノを教えながら、ボストン大学大学院の伴奏科で勉強していたんですが、たまたま 私立高校で声楽を教える仕事が見つかり、学校をやめて2つの高校で楽しく教えさせていただきました。
-それが初めてのお仕事というような形ですか?
高木 忍先生: そうです。それが初めてですね。日本では大学生だったので ピアノを少し教えたぐらいですね。アメリカでプロフェッショナルとして教えたのは、その2つの高校が初めてですね。同時に、ボストン大学のコンテンポラリーミュージックグループ・ALEA IIIで沢山現代曲を歌わせていただいたり、Prism Operaという小さなボストン地域のオペラグループでも歌わせていただきました。その他にも、バレエの伴奏をしたり、教会で毎週歌ったり、アマチュアの合唱団の方々とレッスンしたり 他にも色々な経験をさせて頂きました。
その後ニューヨーク州立大学フレドニア校に移りまして、声楽を教えています。
伴奏も好きなので、オペラのリハーサルとか、Musical Theatre Stylesのクラスの伴奏も長いことさせていただいています。
-伴奏というのは、ピアノで伴奏される感じですね?
高木 忍先生:そうです。フレドニアに最初に来た時は声楽科でなく、ピアノクラスと伴奏で雇われたので忙しかったですね。オーケストラの一員としてピアノを演奏したり、オペラやミュージカルの伴奏もよくさせていただきました。
-楽しそうですね。なんか凄く、お話をお伺いしていますと。
高木 忍先生:ラッキーだなって思っています。声楽曲だけじゃなく弦楽器、金管楽器、打楽器 の色んな曲を伴奏しましたので毎日楽譜の勉強とリハーサルがビッシリ!という感じでした。
-素晴らしいですね。凄い余談なんですけど、実は僕も大阪出身なんですよ。もともと神戸のご出身なんですよね?高木先生。
高木 忍先生: 神戸生まれ、大阪育ちです。大学が西宮だったのもありますが、神戸大好きですね。想うのは神戸、でも心はいつも「大阪」してます。
-そうですね。僕も神戸と京都が大好きですね。
高木 忍先生:ですよね!でも 大阪文化はやっぱりすごいですね。活気に満ち満ちていますよね。あ、横にそれてしまいました。
-すいません。余談でした。(笑)
高木 忍先生:すいません。(笑)
-音楽に興味を持ったキッカケをお教え頂けますでしょうか。
高木 忍先生:私の母が音楽好きで、幼稚園に入ったらすぐにピアノのレッスンが始まりました。大学受験目指して ピアノ、ソルフェージュ、楽典のお稽古と毎週忙しくしていたわけですが、BrahmsのIntermezzoを習っていた時に、神戸女学院でピアノの教授をなさっていた井沢先生に 「ちょっとその旋律歌って見なさい。ピアノであなた歌えないと困る。」と指示され、ピアノを弾きながら歌ったわけです。LEGATOに弾けてなかったんでしょうね。今思うと、申し訳ないですね。その後、「声楽科の先生にソルフェージュを見てもらいなさい」と言われて、同大学で声楽を教えてらした広沢節子先生をご紹介していただき生まれて初めての声楽のレッスンに行ったわけです。広沢先生は私の声をウォームアップしたら すぐに井沢先生にお電話で「声楽科にどうでしょうね」とかお話なさって、井沢先生のOKが出た訳です。これが 高校二年生から三年生になる時ですからチョット狐につままれたかんじですね。
-先生のお勧めでっていう所ですね。
高木 忍先生:そうですね。ドラフトされたって言うか。
-なぜ、このクラッシックにご興味を持たれたという所のキッカケもお聞かせ頂けますでしょうか?
高木 忍先生:クラッシック音楽は、幼少期からピアノのお稽古で色んな作曲家に紹介されたので、自然に耳慣れしていた感じですね。
-そうですね。
高木 忍先生:自分の性格と合ってたんでしょうね。それでもラジオとかレコードとかでは、ポピュラー音楽が好きだったので聞いていましたね。テレビの番組でも母が好きだったので、歌謡曲からクラッシックまで幅広く聞いていましたね。
-クラシック音楽を勉強するにあたって、アメリカの良い点、悪い点等があったら教えて下さい。
高木 忍先生:大学がとっても沢山ありますでしょ、アメリカって。だから、競争率が高すぎて音楽性のある生徒が 取り残されるってこともありますね。カリキュラムも バラエティに富んでいますので、努力すれば 自分なりの結果がでます。選択の自由が多いですよね。その分 演奏がメインのプログラム以外は、実技だけができたら卒業させてくれるってことが無いので要注意ですね。ジュリアード音楽院など目指す方は、競争率はとっても高いですよ。ヨーロッパに行かれた方のお話などお伺いすると、やはり日本やアメリカで大学を終えてから実技の方をもっとお勉強したいので 行かれる方が多いみたいですよね。
-逆に、あまり良くないなあと思うような点とかあったりします?
高木 忍先生: 向き不向きは生徒の性格と目的が明らかであるか ないかによると思います。
-非常に参考になります。ありがとうございます。アメリカに留学する上で最も重要なことって、何だと考えられていますか?
高木 忍先生:言葉ですね。英語。それと独立性ですね。余談になりますが、ボストンに住んでいた時、大阪からMITに留学していた方が、しっかり「Japanglish」で毎日楽しくコミュニケーションされていました。阪神タイガースの売り込みも英語でやっちゃうという方でして、どんどんお友達ができていました。大阪にいてもボストンにいても自分自身変えないんですね。とっても 清々しかったですね。
-凄く興味深い話ばかりなので嬉しいです。海外で仕事をするにあたって、特にアメリカで日本人であることが有利な点、または不利な点というのはありますでしょうか?
高木 忍先生:どちらもないと思います。実力次第なので。ただ 政治的な意味で、日本があまり好きでない方もいますので、世界情勢を知ってた方がいいですね。常識も目一杯あった方がいいですよ。そうでないとコミュニケーションをとる上で困ると思いますので。やはり視野が広いのに越した事ないですね。
-こういう音楽というフィールドでお仕事する際に、日本人で良かったなあとか、有利だったなあって感じるような点はあったりしますか?
高木 忍先生:日本人で良かったなっていうのは感じますね。日本の教育とか、日本の価値観とか、とても役にたちましたね。あとはギブアップしないことですね。それとやっぱり人と人の対応の仕方って大切ですね。その点では アメリカ人だからとかって、日本人だからってことはないんですよ。日本の価値観だけでアメリカを批判する方などいらっしゃいましたが、そんなに シンプルじゃないですよね。日本人同士でも 理解すること大変でしょ。何処に出ても人間関係って 一筋縄では行かないものですので。アメリカのカルチャーとか歴史をよく知ってると、やっぱり人間関係は上手いこといきますので、人とコミュニケーションをとる上ではそれは絶対にプラスですね。
-いろんな人と関わり合い時間がたくさんおありになったと。
高木 忍先生:そうですね。音楽だけじゃなくて、音楽っていうのは、やっぱりコミュニケーションだと思いますので。私達今にここに存在するってことは多くの方にお世話になったからなんですよね。人間って一人では生きられませんから。だから心を何時も開いておいて、色んな方とお話などできる方がいいですね。
-おっしゃる通りですね。
高木 忍先生:あと芸術に国籍は関係ないと思いますね。
-そこはもう自分が持ってるマインドですね。
高木 忍先生:そうですね。マインドを訓練しないとだめですね。心ってとてもPowerfulですよ。
-クラッシック音楽とは、一体何だと思われますか?
高木 忍先生:難しいですね。色んな意味がありますので。音学をDefineするんじゃなくて、形式をDefineするものですね。ベートーベンが生きていた頃は、彼の音楽は 現代曲だったんですよね。彼も私達も歴史から学んで 自己の表現に到ったんですよね。そのように考えるともっと 楽しくなりますよ。
-はい、ありがとうございます。
-今後の音楽的な夢をお聞かせ頂けますか?
高木 忍先生:音楽を通して少しでも多くの方に心の癒しと喜びを感じていただけたら嬉しいですね。また生徒達がそのような気持ちを持って世界に出て行ってくれたら、と毎日願っています。
-ありがとうございます。アメリカでプロの音楽家として活躍する秘訣、もしくは条件あったりしますか?
高木 忍先生:一生、ずーっと勉強することですね。それと、お友達を大切にすることですね。他の方を立てる事も大切ですね。
-やっぱり、繋がりがないと難しいんですね。
高木 忍先生:そうですね。
-プロのミュージシャンとして成功する為の秘訣、条件というようなテーマではありました。
高木 忍先生:一人だけではパフォーマンスできませんから。それとプロの世界はどこの国でも、どんな職業でもスタンダードが高いとおもいます。だから音楽の世界だけからじゃなく 多種多様のアートフォームもしくは文化、歴史からも習っていただきたいと思いますね。
-今、留学を考えている皆様にアドバイスをするとしましたら、高木先生だとどのようなお言葉をかけられますか?
高木 忍先生:
「練習」-錬らないと習えませんから、何回でもお稽古すること。
「無我」-「我」をはらないこと、そして己を知る事も大切だと思います。
「初心」-初心忘れるべからず。
「忍耐」-でも柔軟な心を持つこと。
「一期一会」-人とのつながりを大切に。
「Carpe Diem」-初心を忘れずに、毎日感謝をしておもいっきり楽しんでください。
「七転び八起き」-失敗は成功のもとです。
「感謝」-人生一回きりなのでまだ生かせてもらっていることに感謝して 毎日健やかに生きるようにしてください。
皆様 頑張ってくださいね。
-本日は貴重なお時間ありがとうございました。

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