遠又雅子さん/声楽/中嶋彰子・アンドビジョン特別プログラム/ウィーン

遠又雅子さん/声楽/中嶋彰子・アンドビジョン特別プログラム/ウィーン遠又雅子さん プロフィール名古屋芸術大学音楽学部音楽教育学科卒業。
卒業演奏会にピアノ・声楽の両方に選抜される。
同大学研究生ピアノ専攻修了。
学内・各種演奏会に出演。
イタリアにて短期研修。
公益財団法人 日本オペラ振興会マスタークラス修了。
オペラ・各種コンサートに出演
-最初に簡単な自己紹介ということで、ご経歴を教えていただいてもよろしいですか。
遠又様:音大を出たあとに、大学の研究生として1年間ピアノ専攻で残っていました。大学は教育専攻で学校の先生になりたかったんですが、1年間ピアノ専攻で残って、そのあとに藤原歌劇団の研究生をしていました。
-教育科の時は声楽がご専門だったんですか。
遠又様:歌とピアノと両方専攻でした。
-藤原歌劇団は今も続けていますか。
遠又様:今は全然。それが終わったあとは、オーディションを受けたり自分でコンサートをしたりしています。
-そういう方って多いんですか。教育専攻の方って皆さん先生になれるイメージがあるんですが。
遠又様:私の学年はどちらかというと歌をやりたいという方が多かったと思うんですが、割と両方できる人が多かったです。
-これまでに講習会や海外の先生のレッスンは受けていらっしゃいましたか。
遠又様:特にないんですけど、藤原の研究生のときにイタリア研修というのがあって、朝から晩まで個人レッスンとかオペラアンサンブルの授業とか、オペラの演技だけのレッスンがありました。イタリアのミラノのロンガ村というところに研修施設があるんですけど。
-合宿のような感じですか。
遠又様:そうですね。お城を改造したような感じで、研修ができる施設のようなものです。
-それはイタリアの先生が指導してくれるんですか。
遠又様:はい。
-じゃあみっちりと行っていらしたわけですね。日本ではそういったマスタークラスというのは?
遠又様:受けたことはないんですけど、海外の先生が日本に来たときにちょっとレッスンを見てもらうということは何回かありました。
-今回日本の先生だったので、海外の先生というのとまたちょっと違うのかもしれないですけど、そういったことに抵抗はなかったですか。
遠又様:全然ないですね。中嶋彰子先生は、日本人のようで日本人ではない感性の方という認識がありましたし、どうしても彰子先生に習ってみたかったです。
-今回最初から中嶋先生ということで、去年かその前ぐらいからおっしゃっていたんですけど、中嶋先生とおっしゃっていたのはどういうきっかけがあったんですか。
遠又様:やっぱりずっと憧れの歌手の方でしたので、先生の演奏会で結構日本国内はあちこち聴きに行っていたので。素晴らしい歌手の方はいっぱいいると思うんですけど、その中でも琴線に触れるというか、同じような歌手の方っていっぱいいますけど、個性的でミステリアスな歌手だなと思って。このマスタークラスがあるということを知ったので、いつか聴いていただいてアドバイスをいただけたらなと思っていました。
-ではもともと顔見知りという感じではなかったんですかね。
遠又様:演奏会に行って、終演後に声をかけていただくとか、先生の主催のレクチャーとかそういったものを東京でやっていたので、それに参加したりしていました。
-では中嶋先生に対していろいろと熱心に聞いたりとか受けたりというのは、もともとあったわけなんですね。今回受けてみられて、全体的な感想としてはどうでしたか。
遠又様:ウィーンでのレッスンは初日から初対面というわけではなかったんですけど、海外での先生の国際的なキャリアが長くて、世界でご活躍されている現役アーティストなので、厳しい方なのかなと思ってちょっと構えたりしていたんですが、明るくおおらかな感じで終始なごやかな感じで進んだと思います。
-緊張感でピリピリという感じではなく?
遠又雅子さん/声楽/中嶋彰子・アンドビジョン特別プログラム/ウィーン遠又様:私個人的には最初はすごく緊張していたんですけど、ピリピリという感じは全くなかったです。
-先生は他にどんな特徴がありましたか。どんなレッスンをしてくださいましたか。
遠又様:シューマンの女の愛と生涯 全8曲通して聞いていただいて、そのあとに少しコメントをいただいて、自分の体の楽器とか声帯について事細かに教えていただいたという感じですね。
-では歌う技術というか外に見えているものだけではなく、深いところまでということですね。他の今までの先生方もそういう感じだったんですか。
遠又様:いままでの先生は、なんとなく聞いてイメージするという感じだったので、逆に今回が的確に、明確にという感じだったので、奥まった感じのお話が聞けてすごく良かったと思います。
-これからもそれを生かしていけるような感じなんですね。今回レッスンは全部で3回でしたか。
遠又様:3日間で計5時間のレッスンでした。初日が1時間で、2、3日目が2時間でした。
-声楽のレッスンは割と短い先生が多いと思うんですが、その辺は大丈夫でしたか。
遠又様:大丈夫でしたね。普段から大体1時間半から2時間ぐらいのレッスンを受けているので、時間的には問題ないです。色々発見があったので、もっと受けたい!と思いました。
-進め方というのは毎回同じような感じでしたか。
遠又様:そうですね。体のことや自分の舌が硬いという指摘を受けて、自分でも自覚はあったんですけど、それは何故なのか、今どういう状況だからどうなのかというのを繰り返し受けました。あとはドイツ語の発音について事細かに教えてもらいました。
-それはできるようになりましたか。
遠又様:すぐできるものと、やっぱり時間がかかるものがありますね。でも意識は変わりました。
-やっぱり先生に教えてもらうのと教えてもらわないのは大きく違いますか。
遠又様:違いますね。やっぱりウィーンに行く前にもうちょっと、日本でドイツ人の先生にみてもらったんですけど、時間が足りなくてうわべだけだったかなというのがありました。実際にウィーンに行ってちゃんと先生に細かく教えてもらって明らかに変わった感じがしました。
-日本で習っていたドイツ人の方というのは声楽の方ですか。
遠又様:いえ、全く関係のない語学教室の先生です。
-そうすると、歌の場合と発音が違うということはありますか。
遠又様:実際あると思います。
-通訳は、今回先生が日本人の方だったのでなかったんですね。
遠又様:そうですね。やっぱり中嶋彰子先生は国際的なキャリアが長い方なので、私の友達の友達が宮崎で彰子先生のマスタークラスがあって、それを受けたときに、質疑応答を自分の好きな語学で、と言われたらしいんです。その話を聞いていたので、レッスンはドイツ語なり英語なりでくるのかなと思って緊張していたんですけど、私ができなかったので日本語でしてくださいました。
-突然ドイツ語になったり、ということはなかったですか。
遠又様:所々、単語単語でありました。
-それは普通に声楽の方だったらわかる言葉だったりするんですか。
遠又雅子さん/声楽/中嶋彰子・アンドビジョン特別プログラム/ウィーン遠又様:わかることもあればわからなかったこともありましたね。
-そこは先生がちゃんと教えてくださったんですね。そうすると日本人の生徒さんでも、日本語でない言語で質疑応答したりということも先生はいつもなさっていたりするんですかね。
遠又様:そうですね。日本語じゃないときの方が多々ありそうです。
-その他何か教わったことで印象に残っていることはありますか。
遠又様:やっぱり歌を歌うだけではなくて、自分の体を観察することや歌っているときに今自分が今どういう状況にあるのか、歌っている自分と別の自分がいて、常に観察することを教わりました。歌っている自分を冷静な自分が見て今ここに力が入っているなとか、じゃあどうするかとか。力が入っている時は抜いてあげなきゃとか。言葉にするのが難しいんですけど。
-それを先生がこういうふうにしなさい、と教えてくれたんですね。レッスンを受けた前と受けたあとだと、冷静に見られるようになった部分はありますか。
遠又様:多少はありますね。やっぱりできない時というのは一生懸命になりすぎているので、アップアップしてきてしまうんですけど、冷静に素に戻すイメージです。
-その辺が先生から教わったことで、印象に残っていることですね。
遠又様:あとはやっぱり腹式呼吸のことで、舌の位置があるべきところにあるかどうかということですね。どうしても舌が硬いので奥に入ってしまったりするんですけど、それを入れないと自分に言い聞かせるということとか、自分の体楽器なので、バケツに穴が開いていてはいけない、とよく先生がおっしゃっていたんですけど、やっぱり空気がムダ漏れていってしまって。じゃあ何をしたらいいのか、どんどん自分の状態を見てそれを分析していってあげるということが大切と言われました。
-穴が開いているというのはどういう状態なんですか。
遠又様:結局息が漏れるとか無駄なことをしている状態ですね。あとは声という楽器を育てるのに響きの良い楽器にすることと、それとは別に音域を伸ばしてあげるという勉強を分けてやることで、結構伸びていくとおっしゃっていましたね。音域を伸ばす練習と体の使い方を分けるということですね。違う練習の方法があると思います。一緒にしちゃうとダメだと言われたことが新しい発見でした。日本だと私だけではなく、いろんな人が一緒にしていると思うんですけど。それと別にプラス語学の勉強と、最後にアーティスティックな表現の勉強を分けてやることが必要であると言われていました。以外とピアノの人から見ると、歌の人というのは単旋律だから譜読みも楽でいいわね、と言われちゃうんですけど、本当にやることはいろいろあります。
-そうですよね。音だけじゃなくて言葉もありますよね。ではその辺が中嶋先生から習った、他の先生にはなかった新しい部分だったんですね。今もその方法でいろいろと練習をなさって変わりましたか。
遠又様:変化を感じることができて楽しいですね。やっぱり時間はかかりますけど、帰国して家で練習していても、家族が聴いていて変わったと言いますし、自分でもすごく実感がありました。まだまだ全然ですけど、ちょっと意識を持つだけでも声というのは全然変わるんだなと思いました。
-これから楽しみですね。
遠又様:日によって精神状態や体の状態もあるので、もちろん調子のいい時と悪い時もあるんですけど。
-体が楽器というのはそういうことですよね。練習は今回練習室でなさっていましたが、練習室はどうしでしたか。
遠又様:練習室は天井が高いので、響く感じですごく歌いやすかったです。練習室に行く前にピアノが展示してあって、常に調律をしているような感じなので、逆に音が漏れては申し訳ないと思ったんですけど、だんだん気にならなくなりました。入れ替わり立ち替わり他の方も練習をしていました。
-今回練習室は何時間ぐらいありましたか。
遠又様:1日2時間練習できました。
-レッスンや練習以外の時間は何をなさっていましたか。
遠又様:基本的にはレッスンが終わるまではちょっと落ち着かなかったので、カフェに行って楽譜を見たりとかしていました。もちろんちょこちょこ観光をしたり美術館とかに入ったりはしていたんですが、どこかで歌のことが気になっている感じでした。レッスンが始まってからは先生から明日までにこれを考えてきてね、自分の体がどうだったのか明日教えてね、と課題を言われたり、そういうことを考えたりしていましたね。ホテルで考えていると詰まってくるので、公園でブラブラして考えたりしていました。レッスンが終わってからは結構あちこちに行くことができました。
-気候的にはどうでしたか。
遠又様:割りと過ごしやすかったと思います。夜はちょっと冷えたりしてコートを着たりしましたけど、そんなに特別寒いわけでもなくすごく過ごしやすかったです。寒くて体を壊すということも全くなかったです。行く前に風邪をひいてしまい、気管支炎になってしまって、出国する前の日に全然咳が止まらなかったんです。超世界的ソプラノ歌手のレッスンを目前に・・・・・。
病院に行ってから出国して、レッスンがだんだん近づくにつれて、やっぱり気持ち的にもそっちに意識が行くので、だんだん治まってきまして、ど根性でギリギリ治しました。
-街の様子はどうでしたか。
遠又雅子さん/声楽/中嶋彰子・アンドビジョン特別プログラム/ウィーン遠又様:やっぱりウィーンは素敵な街でした。あと人はみんな優しいですね。常に声をかけてもらったというか、スーツケースをひいているとホテルはどこなの?と聞いてくれて、ヒルトンです、と言ったら、あっちに行くんだよ、と教えてくれました。カフェのお姉さんとかもすごく優しかったですし、治安的にも全然危ないと感じなかったです。
-その時の言語は英語でしたか。
遠又様:話しかけられる時も英語でしたね。そんなに難しい言葉では話してこなかったです。
-町で気になったことや日本と違ってすごいと思われたことはありましたか。
遠又様:やっぱり建物ですね。大きさとか造り方とか、圧巻でした。アジア系だと全然海外に来たという感じがしないですけど、やっぱりヨーロッパに来ると全然違うなという感じですよね。教会の鐘が鳴ったりすると、うわぁーって。
-ウィーンは何回目かでしたか。
遠又様:ウィーンは初めてでした。ヨーロッパは他にイタリアに行きましたが、ウィーンの方が重厚な感じでした。ウィーンにまた行きたいなと思います。次はいつ行こうかと手帳を見て計画しています。
-ウィーン以外に出たりしましたか。
遠又様:レッスンが終わってから帰る2日前ぐらいに、ウィーンの市内を見渡せるカーレンベルクという郊外に、電車とバスで山を登ってきました。葡萄畑とウィーン市内とドナウ川を見渡せるということで行きたいなと思っていたんです。行くまではよかったんですけど、帰りは3時間かけて山を下っていくんですが、ベートーヴェンが遺書を書いた家があると知っていたので、そこも見たいなと思ったんですけど。道を下っていくとちょっと道に迷ってしまって、登山道のような道に入ってしまいました。私はブーツにスカートだったし、水も何も持ってないし、山の奥なのでWi-Fiの電波も弱くてどうしようかと思いました。本当にパニックみたいな感じになって、日本は夜だから電話できないし、ここから大使館に電話する勇気もないと思って。1時間近くうろうろ迷っていると、車道が近かったみたいで車の音が聞こえて、それを頼りに道に出て、ようやくバス停を発見しました。結局ベートーヴェンが遺書を書いた家とかそういうところには行けずに帰ってきました。今だから笑って話せるんですけど。結構冒険好きなのですが、ちょっとハメを外しすぎました。
-そんなところがあるというのは、どこで知ったんですか。
遠又様:本でちょっと下調べしていて、素敵だなと思って。山はもともと好きだったので。
-そこまではウィーンからどれくらいかかりましたか。
遠又様:トータル1時間ぐらいですかね。そこを徒歩で下ってくると3時間かかるという感じです。
-他にもどこか行かれましたか。
遠又様:あとは結局行けなかったんですけど、本当は最初ザルツブルグに行こうと思ったんです。でも日帰りはさすがに厳しいと思って。ザルツブルグは遠いということでリンツに行こうと思ったんですけど、リンツもやっぱり遠いなと思って、メルクに行こうと思いました。メルクまで電車で行って、ドナウ川の舟下りをしようと思って計画を立てていたんですけど、ウィーンの中心に見るところがいっぱいあるので、結局メルクも行かずに帰ってきました。
-市内はどんなところに行かれましたか。
遠又様:市内はやっぱり美術館巡りですかね。あとはシュテファン寺院にほぼ毎日通っていました。モーツァルトのオペラも観に行きましたけど、到着した日の夜だったので時差ぼけで結構きつかったです。
-他にもオペラはご覧になりましたか。
遠又様:彰子先生が活躍されていたフォルクスオーパーに行きました。チケットセンターに行って、急遽窓口で買いました。
-そういうところは大丈夫なんですか。買いに行くが怖いとか。
遠又様:特にないですね。特別語学ができるというわけではないんですけど、逆にやってみたいというか、買えるかどうか試してみたい、どんな感じで買えるんだろうかという興味感覚です笑
-やっぱり冒険好きなんですね。宿泊先は今回ホテルですよね。
遠又様:ヒルトンとホテルクンマーというホテルなんですけど、最初にクンマーに3泊して、残りの7日間をヒルトンで過ごしました。ホテルはクンマーのほうがやっぱりウィーンらしい建物で、1800年代に建てられたホテルなので歴史がある感じで、重厚な感じでした。ヒルトンはアメリカンスタイルで新しい感じでしたね。部屋はそんなに広くなかったんですけど、やっぱりクーマーのほうが雰囲気が良かったです。特別豪華な部屋じゃないんですけど、寝室と別にクローゼットの部屋があって、そのクローゼットが結構重厚な感じでしたね。お風呂の使い方が難しく、日本と違って、シャワーを出し方がわからなくて、髪を洗うのも結局蛇口のところで洗いました笑。次の日もう一度ガチャガチャやっていると何とかシャワーを使うことができました。もう一度今やれ、と言われたらちょっと無理かもしれません笑
-そういうところも古い造りなのかもしれませんね。
遠又雅子さん/声楽/中嶋彰子・アンドビジョン特別プログラム/ウィーン遠又様:ウィーンはみんなそういう造りなのかもしれませんね。
-ヒルトンはどうでしたか。
遠又様:シャワーは普通に出ましたね。
-お湯が途中で出なくなったりしませんでしたか。
遠又様:それは両方ともなかったですね。
-古いとは言えちゃんとしたところなんですね。今回、レッスン会場はどちらだったんですか。
遠又様:先生が勤めていらっしゃる大学だったんですけど、シュテファン寺院のすぐそばでした。レッスン期間中はヒルトンにいたんですけど、ヒルトンから歩いていける距離です。レッスンの行きは電車に乗ったりしましたけど、帰りはちょっとほっとして歩いて帰りました。歩くとホテルまで15分かからないぐらいで、電車では地下鉄で2駅でした。
-では基本的には、電車に乗ったのは他のところに行く時に乗った感じですか。
遠又様:でも基本的にはあまり電車に乗らなくてもいけるのかな、という感じでした。3日間のフリーパスとかを使っていたりしたんですけど、あんまり必要なかったかなと思います。郊外に行く時にバスや電車に乗るとなるとあったほうがいいかなと思ったんですけど。全期間のフリーパスを買っていましたが、普段の生活には必要なかったのかなと思います。ウィーンカードというのがあって、フリーパスと美術館のとかの入場割引みたいなのがついたものを、空港に着いたときに買ったんですけど、結局その存在を忘れていて。普通にチケットを買って入ってしまいました。
-どれぐらい割引になるんですか。
遠又様:そんなにトータルで見ると、あまりお得ではないと書いてありました。
-ホテルでのお食事は朝ご飯だけだったんですね。その他はどうなさっていたんですか。
遠又様:お昼は、最初慣れなかった時はパンとサラダを買って部屋で食べたりしていたんですけど、やっぱり向こうのものは一つが大きいので、食べきれなくてそれをまた夜に食べるという繰り返だったんですけど、やっぱりだんだん慣れてくると欲が出てきて、せっかく来たからあそこのやつを食べたいと思って、中盤ぐらいから一人でレストランに行ったりとかしていました。
-ウィーンっぽいものって召し上がりましたか。
遠又様:シュニッツェルですね。量が多かったので、頑張れば食べ切れたと思うんですが、残してしまいました。ジャムをみたいなものつけて食べるシュニッツェルがすごく絶品でした。あとはイタリアンレストランに行って、普通のイタリアのパスタとワインを。ワインは普段は飲めないんですけど、せっかくだからと思ってお勧めのワインを飲みました。
-ウィーンはどんなお料理屋さんが多いですか。
遠又様:アジア料理やイタリア料理もあったし、あとはカフェが多いという印象でした。スターバックスは一つだけ見ましたが、そういう感じではなく、ちゃんとしたお店という印象でした。オープンテラスのお店もあって、すごく素敵なところだなと思いました。最後の日、先生にシューベルトがよく通ったというレストランに連れて行ってもらって、ターフェルシュピッツという、牛肉を茹でて西洋マスタードを混ぜたようなソースのものをご馳走してもらいました。ウィーンの市内で歩いていけるところにあったんですが、一見さんでは入れないというか、ウィーンっ子しか入れないお店と言っていましたね。
-そのお料理はどうでしたか。
遠又様:それはおいしかったですよ。牛肉を茹でてあるのでとてもヘルシーです。
-いろんなところがあるんですね。シューベルトといったらずいぶん昔ですもんね。外食なさった時は、値段はどうでしたか。日本に比べるとやっぱり高かったですか。
遠又様:高かったかもしれないですね。基本的にはカードで払っていたんですけど、この前明細を見たときにあのシュニッツェルがそんなにしたの?って。あんまり考えないで払ってしまって。たまたまかもしれませんけど。サラダとかを買って食べるというぐらいだと高くなかったと思うんですけど、でも向こうにいる時ってちょっと開放的になっているところがあるので笑
-特に海外の人たちと何か交流したことはありましたか。
遠又様:ほとんどなかったですね。ずっと一人でしたけど全然寂しくなかったです。部屋を掃除してくれるお兄さんやお姉さんと挨拶程度だったり、ヒルトンにあるお水とかを変えるところに多分インド人のおじさんだと思うんですけど、日本語がしゃべれる方だったので、日本人とわかればずっと日本語で喋ってきましたね。
-今回のご留学中に何か困ったこととか、ありましたか。
遠又雅子さん/声楽/中嶋彰子・アンドビジョン特別プログラム/ウィーン遠又様:そんなに特に困ったとは感じないんですけど、やっぱり語学は大事だなと思いましたね。必要最低限の英語で、チケットを買うとか注文する時は英語使っていました。私の英語が正しいかどうかわからないんですけど、意思疎通はできました。
-どういうところで語学は必要と思われましたか。
遠又様:やっぱり先生もしきりに語学、語学とおっしゃいますし、やっぱり英語はできて当たり前で、せっかくだからその現地の言葉でちゃんとお店の人ともっといろいろコミュニケーションをしたり、そういうことができたらいいのにな、と思いましたね。
-では次に行くまでまた勉強ですね。
遠又様:行く前から英語は少しレッスンに行けたんですけど、帰ってきてやっぱりドイツ語は大事だと思って、ドイツ語も自分でも勉強して、会話と発音のレッスンにも行くようにしました。今もちょうど行ってきました。東京にいる時も行っていますし静岡にいる時も行っています。だから東京にいる時は結構盛りだくさんで、スケジュールが詰まっています。
-勉強は前より楽しいですか。
遠又様:やっぱり目標があると楽しいですね。
-今回レッスンを受講してよかったなと思える瞬間はありましたか。今回ご留学なさってご自身が変わったとか成長したと思う部分はありますか。
遠又様:やっぱり自分の体の状態を観察するという意識を持てるようになったということです。歌っている時だけではなくて、日常生活の中で自分の舌がどうなっているか常にどこかに意識を持っているというか。先生がよくおっしゃっていたのは、日本人の人は結構気取って話したりとかするんですけど、普段の落ちた感じなのに電話とかだと声が上がったり。そういうのではだめだと言われていました。だから本当にナチュラルにしようと。別に気取っているわけじゃないんですけど、もうちょっと意識して、普通の日々の生活でもせかせかしないで、おおらかにゆったりと構えていることが大事と言われました。
-確かにせかせかしていると声も高くなって早口になったりしますもんね。日本と留学先で大きく違う点を感じた部分はありましたか。
遠又様:やっぱりメイン通りとかで若い人たちが楽器を演奏していたりとか、そういう姿を見るとやっぱり日本じゃないなという感じがしました。オペラが好きというか、オペラだけじゃなくみんな音楽が好きなんだと思うんですけど、私はたまたまホテルザッハーでザッハトルテを食べていた時に、ウィーン国立歌劇場の立ち見席を買い求める人たちの列がすごくって、こんなに好きなんだと思って。
-日本では特別なことがないと行かないという感じですもんね。
遠又様:私はトスカを観たかったんですけど、キャンセル待ちをしても買えなくて、結局外でライブ中継をしていると知って観に行ったら、皆さん自分の椅子とかを持って観ているんですよね。そういうところがすごく日本と違うなと思いました。
-生活面ではどうでしたか。
遠又様:私自身は日本にいるよりウィーンにいたときのほうが、目的を持ってやってきているからなのか、ゆったり過ごせましたね。居心地がすごく良くて帰りたくないと言っていました。
-ウィーンが恋しいという想いはありますか。
遠又様:あります。自分の身は日本で心はウィーンにあるという感じです。
-今ご留学なさって、ご留学の前に何かしっかりやっておいたほうがいいことというのは何ですか。
遠又様:とにかく語学です。すごく今必死に勉強しています。帰る前の日に、先生ご夫妻が務めている大学の学生さんのオペラがあって、よかったらということで観に行ったんですけど、その終演後に先生の現地のマネージャーさんやウィーン・フィルのすごい人とか、大学の先生たちを紹介してくれたんですけど、ドイツ語ができないからせっかく紹介してくれても何のコミュニケーションもできないというのがあって、それはすごくもったいなかったと思います。絶対に語学はマスターしなきゃと思っています。
-次に行った時に使えるものが全然違うと思うので、楽しみですよね。
遠又様:次にレッスンとかでチャンスがあれば、日本語じゃない語学で受け答えができるようになりたい。それくらいの気持ちでがんばりたいです。
-今後留学する方に対してのアドバイスがあれば教えてください。
遠又様:行ける環境であるならば行っちゃうべきだと思います。迷っているのなら行っちゃったほうがいいし、行ったらわかるということもたくさんある気がします。こっちでどうしようどうしようと思っているより、行きたい気持ちがあるんだったら行っちゃったほうがいいのかなと思います。
-今後の活動など何かありましたら教えていただけますか。
遠又様:特別大きなものはないんですけど、秋にコンサートを予定していて、先生にみてもらったシューマンをできたら舞台にのせようかなと思っています。静岡でやりますので、今それに向けていろいろ練習しています。
-わかりました。ありがとうございました。
遠又様:ありがとうございました。

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