布施あづささん/ジャズピアノ/ピート・マリンベルニ教授・アンドビジョン特別プログラム/アメリカ・ニューヨーク

音楽留学体験者でなくては分からないような、音楽大学、音楽専門学校、音楽教室のコースプログラム、夏期講習会、現地の生活情報などを伺ってみます。将来の自分の参考として活用してください。

 

布施あづささん
布施あづささん

布施あづささんプロフィール
フェリス女学院音楽学部卒業。レナートバイリンガル(語学学校)とピート・マリンベルニ先生のジャズピアノレッスンを受講。


-はじめに自己紹介をお願いします。

布施 フェリス女学院の音楽学部を3月に卒業しました。ジャズピアノを4年間勉強していました。ピアノは3歳から始めて、高校まではクラッシックピアノを習っていました。

-クラッシックからジャズに変わったきっかけは何かあったんですか?

布施 高校の3年間、音楽科に通っていて、クラッシックだけをびっちりやっていたので、もっと他の世界に飛び込んでいきたいという気持ちがあって、ジャズを始めました。

-これまでに講習会に参加したり、海外の先生のレッスンを受けたことはありましたか?

布施 一度もないです。

-海外に旅行されたことはありましたか?

布施 はい、ハワイなどに行く機会がありました。

-今回、語学レッスンと音楽レッスンがセットになったご留学をされたわけですが、受講しようと思ったきっかけは?

布施 大学生活の集大成として、ジャズピアノの本場であるニューヨークで勉強したかったということと、自分の語学レベルを少しだけでも上げたいと思ったことです。

-語学レベルを上げたいと思ったのは、将来的に何か目的があるのですか?

布施 将来、また留学したいと考えているんです。そのためにも会話ができるようになりたいと思っていて、今回は、下見もかねてニューヨークに行きました。

-下見はできましたか?

布施 街の雰囲気などはばっちり下見してきました!(笑)しかし、会話はなかなか難しいと感じました。文法がわかっていても、自分の考えていることを会話にして発するというのは、すごく難しいんだな、と感じました。

-頭ではこういうことを言いたいな、と思っても、なかなか言葉にできない感じですか?

布施 そうですね。言えない悔しさともどかしさをすごく感じました。

レナートバイリンガル
レナートバイリンガル修了証明

-それぞれのレッスンの感想をうかがいたいのですが、まず語学レッスンはいかがでしたか?

布施 レナート(語学学校)は7〜8人の少人数にレベル分けされたクラスで、ほとんどが会話の授業でした。

-日本人は何人かいましたか?

布施 私の他に1人だけいました。スペイン人が多くて、他に、メキシコ、ブラジル、フランスの方がいました。

-他の受講生とは仲良くなりましたか?

布施 はい。友だちになることができました。現地では、一緒にご飯に行きましたし、帰国後もメールを交わしています。

-では、学校以外でも英語を交わす機会があったのですね。

布施 そうですね。なかなか難しかったですが……(笑)。

-ジェスチャーを交えて……といった感じですか?

布施 そうですね。ジェスチャーや指差しをたくさん使って、コミュニケーションをとっていました。こちらが一生懸命に伝えたい、と思って話すと、たいてい向こうも分かってくれますね。「あ! 分かる、分かる!」って感じでした。

-では、音楽のレッスンはいかがでしたか? 今回は、語学学校が紹介してくれた音楽レッスンと、弊社が紹介したピート・マリンベルニ先生のレッスンを受講されたんですよね。

布施 2人の先生に共通していたのは、感性から入っていく、ということでした。具体的に言うと「とにかくまず、好きなように弾いてみて」といった感じで、そこが日本とは違うなと感じました。やはり日本は、形から入るというか……、わりと自由がきかなくて「こう教えたらこう弾いてね」という感じなんですが、ニューヨークでは「自由に弾いてみて」というところから入って、ちょっとでも弾けたらすごく褒めてくれるので、本当に楽しく弾けました。

-それぞれの先生にはどんなことを教わったのですか?

布施 レナードで紹介してもらったフォーノ先生はラテンジャズが専門の方なのでボサ・ノヴァを教えてもらい、マリンベルニ先生からはスタンダード・ジャズを教えてもらいました。

-マリンベルニ先生のレッスンはどのように進んだのですか?

布施 スタンダード・ジャズの本に載っている曲を自分でアレンジして流して弾いて、先生にコメントをいただく、といった感じでした。

-難しそうですね。

布施 けっこう大変でした(笑)。あとは、先生と一緒に弾いたりもしました。

-レッスン中はピアノを弾いていることが多かったですか?

布施 そうですね。もうずーっと弾いていました。私が弾いていると、先生が入ってきて、音で会話をしている感じでした(笑)。なので、本当に楽しいレッスンでした。

-マリンベルニ先生はどんな方でしたか?

布施 まず、すごくハンサムでした(笑)。すごく優しくて、穏やかでおもしろい方でした。それがレッスンにも表れていました。

-1回のレッスンはどのくらいでしたか?

布施 1時間です。そのときの雰囲気でちょっと延びることもありました。

-今回のレッスンで新しく学んだのはどういうことですか?

布施 いろんな人のピアノの奏法をもっと聴かなければいけないと感じました。聴いて、コピーして、そこから自分の音をつくっていく、ということをレッスンを通して学びました。アドリブに関しても、今までは好き勝手に弾いていいと思っていたんですが、「話すように弾いて」と言われて、実は言葉のフレーズのように音を繋げていくものなんだ、ということを学びました。

-それは、新しい発見でしたね。

布施 そうですね。ですので、帰国したこれからも具体的にどういった練習をしていけばよいのか分かったのも大きな収穫です。先生からも具体的に練習法のアドバイスをいただきました。

-他に何か印象的なことはありましたか?

布施 マリンベルニ先生はいろいろと喩え話をしてくださいました。「いろんな生き方があって、みんな理想に向かって頑張るんだけれども、それはピアノにも共通していて、自分の理想とする音を奏でるために毎日練習しなきゃいけないんだ。でも、忘れてはいけないのは、必ず楽しむということだよ」と言ってくださって、その言葉が深くて、ズキンときました。

-なるほど。そういえば、レッスンのときに通訳さんはつけていなかったと思いますが、特に問題はありませんでしたか?

布施 意外となんとかなりました。先生も1対1だとゆっくり話してくださったり、なんとか伝えようとしてくださるので、理解することができました。

-向こうでピアノの練習はどうされていましたか?

布施 ホームステイ先のお家でしていました。玄関を入ってすぐの廊下にピアノがあって、それをお借りしていました。学校から帰って夕方までの間しか弾けなかったので、その時間で練習していました。だいたい毎日1時間くらいです。

-レッスンでやった曲を復習で弾くような感じでしたか?

布施 はい、そうですね。次のレッスンで前に習って練習した曲を聴いていただくこともありました。

ニューヨークブルーノートにて
ニューヨークブルーノートにて

-レッスンや練習、語学学校以外の時間は何をされていましたか?

布施 買い物に行ったり、ジャズ・バーに行ったり、バレエを鑑賞しました。ニューヨークでしか味わえないことを実感したかったので、いろんなところに出かけました。

-それは一人で行かれたんですか?

布施 いえ、語学学校でニューヨーク在住の日本人の女性の方と知り合って、その方と一緒に出かけていたので、本当に心強かったです。38歳と年上の方だったので、頼れるお姉さんという感じでした。

-バレエは何を観に行かれたんですか?

布施 ニューヨークシティバレエ団です。毎週月曜日に90ドルのチケットが25ドルになるので、わざわざ並んで観に行きました。

-ジャズ・バーというと、行かれたのは夜ですよね?

布施 いえ、ブルーノートのブランチ・ライブというものに行きました。日曜日のお昼にやっていて、値段も少しリーズナブルなんです。ジュリアードの学生の演奏を観に行ったのですが、同じくらいの年とは思えないくらいレベルが高くって、感動しました。

-ニューヨークに住んでいる人など街の様子はどうでしたか?

布施 みんなすごく忙しそうで、いろんな言語が飛び交っていて、「ここはどこ!?」って感じでした。

-ニューヨーク以外のところに観光はされましたか?

布施 他にもボストンやワシントン、ニュー・ジャージーなど、行きたいと思っていたのですが、行かずじまいで惜しかったなぁ……と思います。

-ホームステイ先はいかがでしたか?

布施 お部屋は本当にキレイでした。ベッドも「今まで、こんなベッドに寝たことない」っていうくらいフカフカで、サイズもキングサイズでした(笑)。ホテルの一室のようで、本当にラッキーでした。家族も優しくて、ホストマザーが一度、イタリアンのレストランに連れていってくれました。かわいがってくれて、私が若いからか「ベイビー」と呼ばれていたんです(笑)。最後も「また来てね」と言ってくれてうれしかったです。

-ホームステイ先と学校までは、どうやって移動されていたんですか?

布施 地下鉄を利用していました。乗り換えも、同じホームで向かいに来る電車に乗り換える感じだったので、わりと迷わずに利用できました。看板を見れば分かるようになっているので、大丈夫だと思います。

-道に迷ったりはしませんでしたか?

布施 もう初日から迷ってしまって大変でした。人に聞いて無事にたどり着けたんですが、そういうことがあったので、毎日家を授業の2時間前に出るようにしていました。

-えー! 大変ですね。

布施 それを1週間続けて、道を完璧に覚えてから、1時間くらい遅く出るようにしました。

-お食事はどうされていましたか?

布施 ランチは学校帰りにお店に寄って、夜はデリを利用したり、ホストマザーが作ってくれたものをいただいていました。

-外食のときの値段はいくらくらいでしたか?

布施 ランチは10ドルくらいでした。夜はデリで6ドルくらい使っていました。向こうは量が多いので、6ドルでもけっこうお腹いっぱいになりましたね。

-向こうでは、語学学校やレッスンなど海外の方とお話する機会が多かったと思いますが、そういった方とうまく付き合っていくコツは何かありますか?

布施 シャイにならないことだと思います。思ったことをはっきり言う人たちなので、自分もそうしないとその会話に入っていけないんです。

-最初から自分の意見を言うことはできましたか?

布施 いえ、出来ませんでした。徐々に徐々に……という感じです。何気ない会話でも授業でも、自分の意見を求められることが多いと感じました。積極的にいくのが本当に大事だと思います。

-留学中に困ったことはありましたか?

布施 やはり、道に迷ったことですね。あとは、ドライヤーがなくて、大変な思いをしました。それから、日常品に不便を感じることが多かったです。例えば、ティッシュを買ってもゴワゴワしていたり……、といった細かいことに不便を感じて、向こうに行って、日本の環境って本当に恵まれているなと感じました。

-ご留学されてよかったなと思ったのはどういう瞬間ですか?

布施 考え方が変わりました。今まで自分が正しいと思ってきたことを、また別の視点から見ることができました。こういう考え方もあるんだ、と視野が広がりましたね。あとは、日本を離れて日本の良さを知ることができたと思います。

-日本に帰って来て、成長したと思うことがあれば教えてください。

布施 今までは友だちを羨んだりすることが多かったのですが、それがなくなって、自分は自分なんだと思えるようになりました。たった3週間しか滞在していないのですが、向こうは、自分は自分で突き進む人が多いので、私も私で自分をちゃんと持ってしっかっりしていかなきゃいけない、と感じたんだと思います。

ニューヨークの街を散策
ニューヨークの街を散策

-日本と留学先でどんなところに違いを感じましたか?

布施 生活面で言えば、まったく干渉がないことです。多分日本だと、ホームステイに来ていても、かまってしまうと思うんです。でも、向こうでは、プライベートがきちんとあると感じました。私は干渉されない方がいいので、すごく楽でした。音楽面では、向こうの人たちは生まれたときからノリがある、と感じました。本当に音楽を楽しんでいるっていう感じでしたね。

-留学する前にしっかりやっておいたほうがよいことを教えてください。

布施 きちんと下調べをしておいたほうがいいと思います。さっきお話したティッシュとか……(笑)、本当に小さいことなんですけど、そういうことがすごく気になってくるんです。ハンドブックにもそういうことは書いていないので、留学をした人に話を聞いてみるのがいいと思います。

-今後は、どういう音楽活動をされていくんですか?

布施 4月からは社会人になって、音楽とはまったく関係のない仕事をしますが、早く蓄えて、また留学したいと思っています。今度は、ピアノだけで、もう少し長く留学したいと思っています。

-今日は本当にありがとうございました。

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