藤木沙織さん/ハープ/フランツ・リスト音楽大学夏期マスタークラス/ドイツ・ワイマール

藤木沙織さん プロフィール

音楽留学体験者でなくては分からないような、音楽大学、音楽専門学校、音楽教室のコースプログラム、夏期講習会、現地の生活情報などを伺ってみます。将来の自分の参考として活用してください。


フランツ・リスト音楽大学夏期マスタークラス藤木沙織子さんプロフィール
10歳よりハープを始める。洗足学園音楽大学を2008年3月に卒業。2008年ワイマール・フランツリスト音楽大学夏期マスタークラスに参加マリア・グラフに師事。



-はじめに簡単な自己紹介をお願いします。

藤木 母の手ほどきで10歳くらいからハープに触れました。本格的に始めたのは16歳のときです。それから先生に習い始め、洗足学園音楽大学に入学、こないだ(2008年)の春卒業しました。

-今までに講習会に参加されたことはありますか?

藤木 いえ、今回が初めてです。

-海外に行かれたことはありますか?

藤木 大学の演奏旅行や個人旅行で行ったことがあります。ドイツは今回で4回目です。

-今回ドイツの講習会に参加されようと思ったきっかけは何ですか?

藤木 マリア・グラフ先生の講習会を探していて、たまたまワイマールでやっていたので参加しました。

-マリア・グラフ先生に習ったことはあったのですか?

藤木 いえ、ないです。でも、ドイツで一番弾ける先生だと思っているので、是非ついてみたいと思っていました。

フランツ・リスト音楽大学夏期マスタークラス-実際にレッスンを受けてみていかがでしたか?

藤木 もう圧巻でした。全然、裏切られなかったし、すごくいい先生だし、よかったですね。典型的なドイツ人で、元気のいいおばちゃんといった印象です。声が大きくて、明るい先生でしたね。すごく元気がいい方でした。

-そんな先生の音楽観はいかがでしたか?

藤木 とても音楽的でした。曲も全部お手本を聴かせてくれる先生なので「すごい!」と感動の連続でした。中には弾かない先生もいるんですけど、マリア先生は「こうするんだよ」と全部弾いてくれましたね。

-テクニックはどうでしたか?

藤木 やはりすごかったですね。自分がこれまで日本で習っていたこととは違うところは多々あったんですが、ハープはヨーロッパで生まれたものなので、ドイツ人が弾くハープはいいなと思いました。

-今までに先生の演奏を聴かれたことは?

藤木 ずっとCDで聴いていたので、初めて生で聴くことができて感動しました。

-講習会の参加者は何名でしたか?

藤木 ハープ科は11名です。8人がドイツの子で、1人スイスの子がいて、あとは日本人2人でした。

-どんなスケジュールだったんですか?

藤木 初日は、午前中にオーディションがあって、夕方からグループレッスンでした。先生がスケールや基礎練の課題を出して、それを一人ずつ公開レッスンで弾くようなかたちでした。翌日から、個人レッスンが始まって、3〜4日のうちに50分レッスンが2回組まれました。個人レッスンの他には、たまにグループレッスンが入ってくる感じでした。

フランツ・リスト音楽大学夏期マスタークラス-オーディションはどんなものでしたか?

藤木 名前を言われて、みんなの前で弾きました。緊張しましたね。

-ほかの受講者の実力はいかがでしたか?

藤木 自分がいつか弾きたいと思っていたコンチェルトを平気で持ってきていたので、すごく焦ったし、なんか場違いなんじゃないかと思いました(笑)。みんなすごく上手でした。

-他の受講者の年齢はどのくらいの方だったんですか?

藤木 一番下の子は、大学生で二十歳くらい。一番上は、30ちょっと過ぎのでした。他にもプロオケの空き待ちの子もいて、年齢層は思っていたよりも高かったです。

-レッスンはどういうふうに進みましたか?

藤木 オーディションで弾いた曲を見せたら「ちょっとここ気になったから弾いてみて」と言われたので、まず先生の気になるところを全部見てもらいました。その次に、自分が見てもらいたくて持っていった曲を見てもらいました。

-教わったことで印象に残っていることを教えてください。

藤木 「あなたは体が小さいから、こう弾いたらいいんじゃない」など、日本の先生にはない発想で楽器を使うことです。あとはハープの独特な奏法で、ドイツ人が好む弾き方を教えてくれました。私が日本で習っている先生はフランスで勉強された方なので、ちょっと弾き方が違いました。わりとテクニック的な部分が多かったと思います。

-レッスンは何語で受けられたのですか?

藤木 英語とドイツ語です。ドイツ語を勉強していったので、8割はドイツ語でした。ちょっとわからない単語は英語を使っていました。こうしたいああしたいってのはドイツ語で話せるのですが、英語のほうが覚えている単語が多いので単語は英語で、といった感じでした。

-いつもとは違う日本語ではないレッスンはいかがでしたか?

藤木 わけがわかんなかったです(笑)。でも、音楽用語はドイツ語やイタリア語で世界共通なので、そのあたりはわかりました。

フランツ・リスト音楽大学夏期マスタークラス-スケジュールの中にレッスンの他にオーケストラがあったと思うのですが、いかがでしたか?

藤木 私たちは聴講だったんですが、隣の町のプロのオーケストラの人に協力してもらって、そのクラスから4人、コンチェルトをそのオーケストラで弾かしてもらっていました。ハープのコンチェルトなんですけど、ドビュッシーのダンスとヘンデルのコンチェルト、モーツァルトのコンチェルトあとはオケの人たちが探して来てくれたコンチェルト系の曲を演奏していました。

-これまでにコンチェルトを聴く機会はありましたか?

藤木 けっこうありました。ハープのコンチェルトはもともと数が少ないので、限られているんです。例えばモーツァルトのフルート・ハープのコンチェルトなんかは有名ですし……。それで、いろいろな先生のコンチェルトを聴いたことはあるし、いつか自分も弾きたいと思っていましたし……、でも、やっぱり同じ世代の子が弾いているのを見て、ショックというかなんというか、すごいんだなぁ……と思いました。

-オーケストラ・スタディー中先生はどうしていたんですか?

藤木 先生はすごく口出ししてましたね(笑)。指揮の人も止めていないのに勝手に止めて、こうしなさい、ああしなさい、と。

-勉強になりましたか?

藤木 そうですね。私の知らない奏法で弾いていて、こう弾くんだ、ああ弾くんだ、という発見もたくさんありました。

-レッスンや聴講で驚いたことはありますか?

藤木 聴講していたレッスンで、生徒と先生が喧嘩をしていて、何で怒っているのかわからなかったんですけど、先生が怒って出て行ってしまったことがありました。弾き方にくい違いがあって、先生が怒ってしまったのか、その子が素直に聞かなかったのかなぁ、と。見ていると、ヨーロッパ人って、自己主張が強いんですよね。先生が「こうして弾きなさい」と言っても、「いや、私は腕が長いから、こうしか弾けないんです」と返したり……。そんなやり取りをするので、聞いていてびっくりですよ。私は先生に言われたら、「そうですね」って自分の中で消化して、弾くと思うんですが、向こうの人は、私はこうだから、というのが強いと思いました。日本人のような謙虚なところがないので、順番待ちで順番にいらっしゃいと言われても、どんどん出て行かないと最後まで残ってしまうんです。そういうヨーロッパ人と日本人の違いを感じました。

フランツ・リスト音楽大学夏期マスタークラス-そんな中で、今後やっていけそうですか?

藤木 自分も強くならないとダメだなと思いましたね(笑)。でも、みんな話をするとすごくいい人たちだし、ちょっと話すようになると、挨拶をしてくれたりするので楽しかったですね。

-そんな海外の方とうまく付き合っていくコツはありますか?

藤木 みんなとても音楽が大好きで、ちょっとお酒が入った席でも、作曲者の話をしていたり、音楽に熱いんですよね。すごく好きなのが伝わってきて、自分も半端な気持ちじゃできないなと思いました。言葉の壁はあったのですが、そういう気持ちは世界共通なので、海外の人とも仲良くできると思いました。

-なるほど。

藤木 言葉がわからなくても、作曲者の名前が出てくれば、何の話をしているのかくらいはわかりました。いろんなハーピストの弾き方の真似をしてみんなで笑ったり、「あいつはこんなハーピストだ」とか、私が知らないことをみんなが知っていて、おもしろかったです。あとは、普通に女の子の話(笑)、「彼氏いるの」とか、「彼氏どこに住んでるの?」とかそんな話をしました。

-どこでそんな話をしたんですか?

藤木 受講者のうち3人が、先生と一緒にベルリンから来た同じ大学の子たちなんです。だからもともと友達だったようで、1人誕生日の子がいて、「誕生日会やるから今夜来ない?」とか、生徒同士で一回飲みにも行ったし、レッスンの後に先生がクラスのみんなとジェラートを食べに連れて行ってくれたり、向こうの子たちが気を使ってくれたのかもしれませんが、「あの子たちも誘おう」みたいなのがあって、言葉の壁はありましたが、とても楽しかったですね。

-練習はどこでされていたんですか?

藤木 レッスン室のほかに、練習室が2部屋あって、ハープが1台ずつ置いてあったので、そこを使いました。ただ、11人受講生がいて、何時から何時までは誰が練習するといった打ち合わせが一切なかったので、みんなのいない時間を見計らって練習していました。練習塔が朝7時半から使えたので、朝早く起きて、8時からレッスンが始まる10時まで練習したり、お昼過ぎは、ヨーロッパの人たちはお昼寝をしたり休憩を長く取るんですよね、なので、そういう時間を狙っていました。でも、他の人とかぶってしまったら、「あと何分練習したいんだけど……」と伝えて、うまくやっていましたね。

フランツ・リスト音楽大学夏期マスタークラス-譲り合って使う感じですか?

藤木 そうですね。もっと強引に「私、使うから」と言われると思ったんですけど、意外と譲り合うところがあって、「もうちょっといい?」って言うと、「いいよ」って言ってくれました。でも、そもそも、他のみんなはあまり練習をしていませんでしたね。もっと練習しないのかな、とは思いましたけど、どちらかというと、先生の授業を聴くという目的で来ているので、しっかり聴講していました。こっちは練習もしないと、とがむしゃらだったので、なるべく朝に練習するようにしていました。

-朝は他の受講生は来ないんですか?

藤木 来ません。授業もヨーロッパ人はギリギリに来るんですよ。10時のレッスンだと、10時のレッスンの子は来るんですけど、聴講の子たちがレッスン室に入ってくるのは10時半とか11時とか、まちまちでした。聴講は出入りも自由だったのですが、だいたい遅かったです。朝が強いのは、やっぱり日本人かなと(笑)。

-藤木さんは昼寝はしなかったんですか?

藤木 最初は時差ボケもあったので、昼寝をしていました。レッスン中に眠くなるのが一番辛いし、せっかく参加しているのにもったいないと思ったので。朝は時差ボケのせいで、6時くらいにはパッと目が覚める。午前中のレッスンを聴講したら、午後の休みが3時間くらいあるので、一度ホテルに帰って1時間寝て、また午後のレッスンに出かけるっていう生活をしてました。

-なんだかヨーロッパ的な時間の流れですね。

藤木 そうですね。日本では、昼寝なんか絶対しないじゃないですか。ゆとりがあるんだなと思いました。

-レッスンと練習以外の時間は何をされていましたか?

藤木 本当に時間がつめつめだったので、お昼にちょっと街に出て、ご飯を買って食べたり、スーパーマーケットに寄り道して帰ったりしたくらいです。ワイマールという街も歴史があるので、観光もしたかったのですが、そんな時間はなかったですね。最終日は午前中で終わったので、午後はバスで街を一周しようと思っていたのですが、案外何もなかったので、余った時間は荷作りをして終わりました。

-ワイマールのほかの街に観光はされましたか?

藤木 フランクフルトとハイデルベルク、ケルンに日帰りで新幹線を乗り継いで行きました。ハイデルベルクは1度行ったことがあって、ワイマールからはちょっと遠いし、新幹線代も高いので、どうしようかなって思っていたんですけど、行かないと後悔するかなと思って行ってきました。街をウロウロして景色を見てきました。すごく景色がきれいなところなんです。

-新幹線は現地に行ってから切符を取ったんですか?

藤木 はい。自販機だとわからないので、直接窓口に行って「ハイデルベルクまで往復切符下さい」って。時刻表をよく調べて、電子辞書を片手に(笑)。

フランツ・リスト音楽大学夏期マスタークラス-電子辞書はやはり必要ですか?

藤木 常に持ち歩きました。簡単な会話帳と電子辞書と自分なりに考えた使えそうな単語のリストは持ち歩いていました。

-ホテルはどうでしたか?

藤木 よかったですよ。日当たりもいいし、特に不満はなかったです。結構大きい系列のお店で、設備もよかったですね。

-ご飯はどうしていましたか?

藤木 ホテルに食事が付いていないプランだったので、パンやハム、チーズ、バター、サラダを買って、ホテルの冷蔵庫に入れて、朝はそれを食べました。お昼も作って持って行って、学校で食べました。あとは、温かいものが食べたいときは、自分が日本から持っていったカップラーメンを食べたり、スーパーでカップラーメンを買って食べました。

-お値段はいくらくらいでしたか?

藤木 サラダが1パック1ユーロちょっとくらいです。ハムは1ユーロか2ユーロでした。バターなどは5日間くらい使いまわしていたので、1食2ユーロかかっていないと思います。そんなに外食をしなければ、生活できると思います。日本食が恋しくなければ生活には困らない感じでしたね。

フランツ・リスト音楽大学夏期マスタークラス-外食はしなかったんですか?

藤木 1回だけしました。日本でいうファーストフードみたいで、鮭などのお魚が美味しいお店でした。レジで「これとこれ」って言うと、お皿に盛ってくれて、だいたい10ユーロくらいでした。それに飲み物をつけると、やっぱり高いなと思って、外食は1回きりでした。

-持って行ったほうがいいものはありますか?

藤木 シリアルのような乾燥している食べ物をよく朝食べるので、1箱持ってっていきました。あとは、部屋で食べるなら、スプーンやフォークは持って行ったほうがいいですね。サランラップ、アルミホイル、ポカリの粉とか日本茶、水筒とかもあるといいかと思います。

-ワイマールで暮らしていくと考えるとどうですか?

藤木 街のつくりを覚えて、スーパーマーケットの使い方覚えれば、暮らすのには困らないですね。歩いてみて、郵便局や銀行やデパートの位置を覚えれば、大丈夫だと思いました。

-住みやすい街ですか?

藤木 過ごしやすそうですね。ただ、昔ドイツが東と西に分かれる前の境の町は治安もそんなによくないから一人で出歩かないように、と、いろんな人に言われたんです。実際に行ってみると、街灯がないので日が暮れると真っ暗なんです。だから、ちょっと怖いなと思いました。

-夜、歩くことはありましたか?

藤木 友達の誕生会で、遅くなったときにバスがなくなってしまったのでホテルまで歩いて帰りました。遅くといっても10時解散くらいで、スイスの子もホテルに泊まっていたので日本人の子と3人でした。ホテルまで15分歩くんですけど、街灯も何もなくて道路脇の家の電灯やたまに通る車のライトくらいしか明かりがなかったです。酔っ払っていたし、3人でワイワイ帰ったので、あまり怖くなかったですけど(笑)、一人だったら、やっぱり怖いですよね。

-移動はどうされていたんですか?

藤木 バスを使っていました。市内のバスカードがあって、普通に1回乗ると3ユーロ近くするので日本円にすると500円くらいしてしまって高いんですよね。なので、最初の日に3日間で10ユーロの切符を買って、あとは3日間で5ユーロずつでした。レッスンに行って、一回ホテルに帰って、休んでからまたレッスンに行くと1日2往復バスを使うので、元は取れました。でも、会場まで歩いている子もいましたよ。歩いても行けるんですけど、私たちはそこからさらに山を15分登らなければいけないので、大変なんです。一度私も歩いてみたのですが、レッスン室まで30分かかるんですよ。だからバスを使っていました。

フランツ・リスト音楽大学夏期マスタークラス-バスのつくりはどうでしたか?

藤木 あまり日本と変わりません。普通のバスがゴムのウネウネで2台つながっているやつなので、絶対に座れました。バスの運転手さんも優しかったですね。

-交流とかあったんですか?

藤木 「ハロー」とか「グーデンターク」とか。降りるときも、「チュース」と言うと、「チュース」って返してくれました(笑)。そうやって通じるだけで、あいさつって、楽しいですよね。

-街のみんさんもそんなふうに明るい感じですか?

藤木 そうですね。でも、観光地の中心みたいな感じだったので、観光客が多かったと思います。同じような日本人や中国人がいたので、あんまり街の人って分からなかったですね。街に住んでいる人は、たぶんもうちょっと違うところに住んでるのかなと思いました。あるいは、夏の休暇中なんで、みんな出て行ってしまったのかな。逆に街は静かでした。

-街のつくりはどうでしたか?

藤木 石畳がすごかったので、ミュールでは歩きづらかったです。ヒールのないパンプスは持っていったんですけど、半分森だったので、スニーカーを持ってくればよかったと後悔しました。街並みはいい街並みでしたね。ワイマールは戦争の空襲でやられたという話は聞かないんですけど、新しい建物もあって、同じように古い造りを並べて作ったりしていて、建物も古い造りを再現しているんじゃないかな、と思いました。ヨーロッパっぽいかんじで素敵でした。

-そういう風景を見ていかがでしたか?

藤木 ワイマールはリストが過ごした街なので、こういう景色を見て、こういう音楽ができるんだとか、そういったことをすごく感じました。だから、やっぱりヨーロッパの田舎っていいなと思いした。

フランツ・リスト音楽大学夏期マスタークラス-今回、講習会に参加してよかったなと思える瞬間はありましたか?

藤木 憧れていた先生の生演奏を聴いただけでも、もう帰ってもいいと思いました(笑)。先生は自分の中で本当にすごい人で、その先生の演奏を聴けるだけでも行く価値があると思って今回参加して、本当にその通りでした。自分の演奏でよくないところは自分でもわかっているし、先生も基礎練を見ているわけではないので、ある程度ちゃんと弾けなきゃいけないんです。でも、それはもう自分次第なんですよね。なので、他のヨーロッパの子の演奏を聴いたり、向こうの環境に触れたり、先生の演奏を聴けたことのほうが大きかったなと思います。すごくいい刺激になりました。

-今回の留学で成長したなと思うところはありますか?

藤木 ちゃんと基礎練をしようと思いました。基礎練のコピーをたくさんもらって、全然できない自分にびっくりしたんです。できると思って、やっていなかったんですよね。曲の練習ばかりになってしまっていたので、基礎に戻った感じがします。先生の言われたことを忘れずに、また頑張ろうと思いました。

-基礎ができないというのはどういうことですか?

藤木 音が小さい、ということをずっと言われました。「ほんと音小さいわよ、聞こえない」みたいな。日本だと言われたことがなかったので、自分の音量が普通だと思っていたんです。だから、スケール違うんだなぁと思って、見つめ直す機会になりました。

-日本とドイツの音楽面の違いは何か感じましたか?

藤木 ハープの方って日本でも少ないので、フランスやドイツ、アメリカで留学されている方も多く、全然文化の交流がないわけではなんです。私も先生のフランスの弾き方もわかるので、あんまりハープに関しては、音楽面の違いは感じませんでした。

-人の接し方では国の違いを感じましたか?

藤木 やっぱり、もっと自己主張しなきゃいけないなと思いました。あとは、ドイツに行って帰ってきて、日本人ってなんであんなにあいさつしないんだろうとか、親切じゃないんだろうと感じました。やはり文化の違いなんでしょうね。

フランツ・リスト音楽大学夏期マスタークラス-今後、留学を考えている方にアドバイスをお願いします。

藤木 私自身、語学をしっかりやっておかないと、とすごく思いましたね。先生とのコミュニケーションに限らず、現地まで行くにしても、いろんな人に道を聞かなければならなかったですし。向こうの人は、ほとんどの方が英語をしゃべれるので、英語はしっかりやっておけば困らないと思います。あとはその地域の語学もやっておけば、なおさらいいと思います。

-他にはありますか?

藤木 向こうの気候ですね。考えていたよりもすごく寒かったんですよ。それで、向こうでコートを買いました。日本と思って行っちゃいけないなと思いましたね。よく下調べをしておくといいと思います。

-体調を崩したりはしませんでしたか?

藤木 大丈夫でした。でも、薬は万全に持っていきましたね。風邪をひいたら、のどが痛かったら、お腹が痛かったら、とそういう薬は全部持って行きました。

-今後はどういう活動をされたいのですか?

藤木 ある程度、自分のやりたいことがわかったので、もうちょっと調べて、向こうの大学に行けたらと思っています。やっぱりドイツのあたりで勉強したいですね。

-応援しています。今日はありがとうございました。

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